むし歯の原因菌はどこから?

むし歯の原因菌はどこから?

 こんにちは。暑い日が続きますが皆さんいかがお過ごしでしょうか?こまめに水分補給をして、熱中症対策をしてくださいね。

 さて今日は、むし歯菌の定着についてお話しします。
日々診療をしていて患者さんから質問では、
☀︎歯がない時期からむし歯予防は必要ですか?
☀︎むし歯菌はいつから定着しますか?
☀︎同じ食器で食事はしない方がいいと聞きましたが本当ですか?
などなど、、、

【むし歯菌の定着時期】

 2つの時期が提唱されています。
 一つ目は生後19カ月〜31カ月の間
二つ目は永久歯としてもっとも早く萌出してくる第一大臼歯の萌出時期(6歳頃)です。だだし、むし歯リスクが高い人ではむし歯菌の定着がより早く起こっている可能性があります。

続いて感染源についてですが、歯面表層に定着するとされているむし歯菌ですが、歯が生えていない乳児の舌からも同菌のDNAが検出されたり、歯が生える前の乳児の歯槽粘膜からも検出されています。ですから、「まだ歯がない時期でだからむし歯菌が定着することはないと」油断するのは禁物です。

【母子伝播についてはそれほど神経質にならなくても良い】

 現代社会では見なくなりましたが、昔ながらの育児法では、離乳食として母親がまず自分で食物を咀嚼してからそよ食物を子どもに食べさせるという方法がありました。このような食事様式の場合、お母さんの唾液の中のむし歯菌の数が多いと、その子のお口の中のむし歯菌の数も多くなることがわかっています。
 一方、むし歯リスクの高いお母さんであっても、きちんとむし歯治療を受け、キシリトール入りのチューインガムを定期的に利用することで、子どもへのむし歯菌の感染を効果的に減らすことができるという報告もあります。
 なお、乳児がむし歯菌に感染する場合、母親以外にも他の養育者(父親、祖父、祖母など)からの垂直感染(病原体が親から子どもに伝播される感染様式)や、保育園、幼稚園などの友だちからの水平感染(接触、飲食物、空気、ベクターなどを介することにより、同種の親子関係にない個体間、あるいは異種個体間で感染すること)もあることが報告されています。
 このことから、過剰なまでに母子のスキンシップを避ける必要はないという考え方が主流になっています。
 ただし、生まれてくる子どもへのむし歯感染リスクを減らすことは重要ですので、家族にむし歯が多いご一家にお子さんが生まれる場合には、まず大人のお口の環境整備と食事習慣の見直しをおすすめします。

 では、今日はむし歯菌の感染についてお話ししましたが、1番は日々のケアを怠らずにお食事やコミュニケーションを楽しむことです。
無理をせず、困った時は歯科衛生士にお尋ねくださいね。